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エシカルファッションの“選択肢を広げていく”クールなブランド「INHEELS」

SoooooS.の中に、とてもインパクトが強い商品があります。他の商品と違って、とんがっているというか、いい意味で違和感がある。それが『INHEELS』というブランドです。
”who said ETHICAL is not SEXY?” をテーマに掲げ、ロンドンと東京を拠点に活動するエシカルファッションブランド『INHEELS』代表の岡田さんにお話を聞いてきました。

岡田 「いわゆるオーガニックが好きな方にサーブする商品は最近増えてきましたが、私たちがやっていきたいのは『選択肢を広げていく』ということです。私自身もそうですが、フェアトレードやオーガニックは好きだけど、着るもの、身に付けるもの関しては、フワフワとしたイメージや淡い色が好みじゃない人もいます。

他になかったテイストで作るエシカルファッション

ロリータやゴスロリが好みの人だっているかもしれない。ファッションって、自分が着て人に会っても、相手には自分が着ている服がフェアトレードやオーガニックなのかっていうのは分からないですよね。かわいく見えるか、見えないかということが多くのことを占めます。つまり、あまりに一つのテイストに集約されてしまうと、先の広がりがないと思うのです。エシカルっていうのは、サプライチェーンや原料のことで、テイストのことではないですから、他になかったテイストで作られたエシカルファッションがあってもいいはずです。」

いわゆるサステナブルなことが、外に広がってきて、多様になりつつある現状を表していると思います。今までは『こんな服を着ている = ソーシャルに興味がある』という図式が成り立っていたけど、今は本当に多様な人がソーシャル志向になってきていますね。だからこそ『INHEELS』が注目されているのです。

Bullet Brass Collection

Bullet Brass Collection = 【弾丸の金属】を溶かして作ったアクセサリーコレクション。ハンドメイドのスタッズリングはロンドン在住ジュエリーデザイナーLucy Georgesonのデザインです。 Bullet Brass Collection

岡田 「まだたった3年目のブランドですが、嬉しい事にサステナブルやエシカルがテーマのイベントに呼んでもらうことも多くなってきました。ただ、まぁ、浮きますよね(笑) でも、浮いているって言われるのはうれしいことです。『ちょっと露出が多い服ですね』とか言われたりしても、実は喜んでいます(笑) やっぱりターゲットとなるお客様の属性というか、こういう方に着てほしいということを絞れば絞るほど広がるという感覚があります。中途半端では絶対に伝わらないのです。

生産者の方のことを優先的に考え、発注し、できたものを生活者のみなさんに売ると言うよりは、生活者の方のことを優先的に考え、どんなものを提供したら喜んで購入してもらえるかを考える。メッセージって伝えるのが難しいじゃないですか。こっちがどんなに熱心に強く思っていても、100%なんか絶対に伝わらない。20とか30が伝わっているかどうか。だからこそ、なるべく濃度を濃くして伝えていきたいと思っています。」

Can’t See

東京都足立区にあるアクリル工場。普段はiPhoneケース等の製品を作っています。この工場で見つけたのが「端材」「廃材」の棚。他の製品を作った後の余りのアクリル板から、消費社会へのメッセージを込めたコンセプチュアルアクセサリーコレクションが出来上がりました。 Can’t See [1]Can’t See [2]Can’t See [3]

例えばこちらのアクセサリーは 樹脂の上にバーコードが刻印されています。私たちは身につけるもののデザインと値段ばかり見ていて、それが手元に辿り着く過程や、サプライチェーンのことは全然考えていないんじゃないか、というメッセージがこめられています。でも、そんなこと言わなくても、どんどん売れていくそうです。商品力で販売が伸びていくのは、ブランドとして理想型ですね。

岡田 「今までは、第一子出産後にオーガニックに目覚めるとか、そういう方が多かったと思うのです。子どもができて将来のことを考えだしたりして。また、オーガニックなものは比較的価格帯もョンをキーワードに『INHEELS』を見つけてくれるというような。」

ブランディングを意識した写真撮影

岡田 「例えば、パンフレットにはいい紙を使うのではなく新聞紙にしてみたりとか、写真を撮るときはかわいいというよりかっこいい感じのモデルさんを使ったりとか、表情は笑わないとか、挑戦的なポーズで、仕上がりは影を多くするとか。ビジュアルもこれだけやれば、他との違いに気づいてもらえるかなと思っています。ここまでやると伝わる方には伝わるので『こういうブランドを待っていました』と言ってくれる人が増えてきています。他と違うことが、価値になっていますね。ただ、私たちがやっていることもたくさんあるテイストのひとつなので、また違うテイストの違うブランドが出てくればいいなと思っています。」

今までになかった新しいテイストは、商品以外でも見られ、その中でも面白い取り組みが、ブランディングの一環として発行しているエッセイ集です。

岡田 「私たちはエッセイ集も作っています。私たちの価値観を直球で伝えるというよりも、そこに「置いておく」というイメージです。そのほうが、メッセージの発信の仕方として、より『INHEELSらしい』のではないかと考えました。あまり直球でやりたくなかったのです。社会貢献しようよとか、環境に優しくとか、そうじゃなくて、ちょっと斜に構えたかんじが『INHEELS』らしいというか。そうしたら意外と反響があって、特にアート寄りの方に反応していただけることが多い。そういった方向の人にもどんどん知ってもらいたいので、うれしいですね。」

ここまでしっかりとブランドのことを考えているエシカルファッションは今までなかったのではないでしょうか?
既存のオーガニック商品との違いを浮き立たせて、今までメッセージを届けることができなかった人たちへ届ける『INHEELS』、SoooooS.でぜひチェックしてください!

INHEELS: http://sooooos.com/shop/inheels/index

コンテンツ協力:earth garden

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