下町モノづくり。電球手吹き職人の挫折からの物語。
90数年前のこと、初代村松庄太郎により、松徳硝子は産声を上げた。
時は、機械化へと進み大量生産が徐々に主流となり、次第にその生産量は減っていき、廃業をも考えるようになる。
しかし、職人たちは、その
「技術と伝統の火種を絶やしたくない」
と、培った業を活かし、世の中の人々に役に立つものはないかと模索し、努力に努力を重ね、「ガラス」というジャンルにいきつく。
その後も、試行錯誤を重ね、ついに「うすはりグラス」を完成させる。
ここに至るまでには、壮絶な紆余曲折がありながらも、その卓越した技術と本来の味を愉しめる「グラス」は、徐々に料亭や割烹など、料理のプロであり料理人に認められることになる。
24時間365日絶やすことのない、釜の炎は、職人たちのたゆまぬ努力と、おおぜいの人たちの「笑顔」のために、今この瞬間も燃え続けている。
使う側の私たちにできることは、知ることであり、使うことであると思う。
今も尚、下町の硝子工場(こうば)は、減り続け、その技術も徐々に失われ続けているが、みらいに残していきたい日本の逸品のひとつであると思う。
【ガラスはこんなにも薄くなる】
0.9ミリの芸術が成す胸高鳴る違和感の中でも特に、今までに無いこの飲み口は感動と美味しさを演出します。料理は盛り付けや器で味が変わると料理人は語り、それは飲み物も例外ではなく、ソムリエはグラスで変わると訴えます。東京都墨田区で職人が吹き上げる世界に一つだけのグラスにはトロリと艶が走り、陰り無く向こう側が見えます、そこに何も無いかのように。お酒には縁が無いからと素通りせずに、水でもお茶でもその飲み口を味わって見てください。宇宙飛行士が無重力の中でフワフワと浮かぶ水を、手にとって頬張るシーンをテレビで観たことがあると思います。もしかしたら、そんな感じに近いのかもしれません。夜空の向こうに思いを馳せるそんな晩酌。
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ショップスタッフより
コップの形をした水を直接手に持って飲めるのならこんな感じなんだろう
と思いました。見て美しく、触ると揺れが伝わってきて、飲んで美味しく、繊細な音が「ピチャン」と伝わって、薫り高い、五官の五感全てに訴えかけてくる。
2016年01月27日 02:38
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