色に託された意図とは?
きちんと知っておきたい、「リボン運動」について

> 「あした、あさって」記事一覧に戻る

いろんなところで見かけることの多い、「リボン運動」。ピンク、レッド、オレンジ…あなたは
どれだけ知っていますか?

Pick up 01いつから始まったの?リボン運動の歴史

「レッドリボン」や「ピンクリボン」などに代表されるリボン運動。このリボンは、通称
「アウェアネス・リボン」と呼ばれています。アウェアネス(Awareness)とは、英語で
「意識・気付き」という意味で、直訳すると「気付きのリボン」ということになります。

リボン運動の起原は、病気や事故で若くして亡くなった人への哀悼を表す意味で
赤いリボンを付けるという、ヨーロッパに古くから伝わる風習から来ています。

この赤いリボンが、エイズ患者支援のために使われるようになったのは、1980年代の
終わり頃。アメリカ・ニューヨークで、ミュージシャンなどのアーティスト達の間にエイズが
蔓延し、死亡者が後を絶たず、とても大きな社会問題となりました。そうした仲間たちへの
哀悼の気持ちと、エイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を表すため、志を同じくする
アーティスト達によって、赤いリボンをシンボルにした「レッドリボン運動」が始まりました。
これが現在、世界中に広がる「リボン運動」のはじまりです。

「アウェアネス・リボン」は、自分自身が社会運動や社会問題に対して、さりげない支援や
賛同、理解の意思を持っていることを示すためのものなのです。

Pick up 02色に込められた、それぞれの主張を知ろう

アウェアネス・リボンの背景にある意味は、リボンの色によって決まります。

現在、世界中には数多くの種類のアウェアネス・リボンが存在しますが、ここでは
私たちにとってより身近なものをご紹介します。

<ピンクリボン>
ピンクリボンは、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の重要性を訴えるシンボルです。
日本の乳がん患者が年々増加していることから、企業やマスコミなどが連携して大々的に
キャンペーンを展開し、認知度向上に努めています。毎年10月になると、キャンペーンの
一環として、東京タワーやスカイツリーなどのシンボルタワーがピンク色にライトアップ
されます。

<ティール&ホワイトリボン>
近年、罹患率、死亡率ともに若い女性の間で増加傾向にある、子宮頸がん。ティール&
ホワイトリボンは、子宮頸がんの予防啓発と子宮頸がん患者への支援活動のシンボル
です。

そのほかにも、DV根絶を訴える「パープルリボン」、臓器移植への理解を深める
「グリーンリボン」、子ども虐待防止の啓発を目的とした「オレンジリボン」など、
アウェアネス・リボンはさまざまな社会問題や社会運動のシンボルとなっています。

Pick up 03アウェアネス・リボンは、社会問題解決への第一歩

世界中に広がるアウェアネス・リボンですが、努力やお金、時間をかけない「見せかけの
支援」「自己満足の支援」といった批判があるのも事実。確かに、ただのファッション
アイテムとして、一時のブームとして、それらのリボンを購入するだけでは、社会問題は
なにひとつ解決しないでしょう。

しかし、社会問題を解決するためには、その問題について、まず「自分が知ること」、
そして「多くの人に知ってもらうこと」が必要です。あくまでもアウェアネス・リボンは、
そのきっかけのひとつに過ぎません。

最も重要なのは、社会問題や運動に関心を持ち、自分にできる支援とは何かを考える
こと。寄付やボランティア活動といったアクティブな支援だけでなく、苦しんでいる人たちに
理解を示すことや差別をしないこと、問題に対する正しい知識を身につけるといったことも、
立派な支援活動のひとつなのです。

みなさんも、関心を寄せる問題や運動があれば、リボン運動に参加してみては
いかがでしょうか。

 

by miyako20100401