江戸の屋台は蕪汁がポピュラー、世界で一番古い根菜、カブ

> 「あした、あさって」記事一覧に戻る

冬に一番美味しくなるカブ、葉っぱも根っこも丸ごと美味しく食べつくしましょう。

Pick up 01国境なく、昔から人々の暮らしによりそってきたカブ

カブは今でも私たちにとって身近な野菜ですが、時代小説や洋書を見ていると、なぜかよく
このカブが登場します。
例えば江戸時代の町人が立ち寄るいなりずしの屋台などでは、付け合わせとして蕪汁(かぶらじる)
というものが度々登場します。

1700年代の外国小説にはカブの農場がよく出てきますし、「カブのような顔」と比喩される人が
出てくることも。
どうやら日本でも海外でも、庶民にとってカブは大変身近な根菜だったということがわかります。

実はカブの歴史はとても古く、紀元前から栽培され、日本では弥生時代にもう大陸から伝わってきています。
身近すぎてわかりにくいようですが、世界中でこんなに長く愛されている根菜は珍しいのです。

Pick up 02体が温まる蕪汁を作ってみましょう

さて、それでは江戸時代に良く食べられていた、蕪汁を作ってみましょう。
単純にカブのお味噌汁のことかと思っていましたが、本式は醤油味がベースになるようです。

酒、醤油、かつおだしで醤油の澄まし汁を作り、そこに蕪をすり下ろしたものを加えます。
具はもちろんカブの葉っぱを刻んだものです。カブの本体も添えましょう。

最後に片栗粉でとろみをつければできあがりです。
とろみをつけたことで汁が冷めにくくなり、すりおろしたカブの風味と自然な甘みで、普通の
澄まし汁とはまるで別物の味になります。

昔は今のように蕪の大きさが立派ではなかったので、小さなものもこうやって美味しく
食べられるように工夫をしていたのですね。
簡単に作れる、寒い夜にピッタリの一品です。

Pick up 03カブの葉っぱで簡単炒めもの

一説には、カブはもともと葉の方を食用にしていた、という説もあります。
理由は不明ですが、買うと本体より多いと感じるほどたくさんついてくるカブの葉、これを捨てるなんて
もったいない、そこで、簡単な炒めものをお教えします。

カブ葉をみじん切りにしてゴマ油で炒めます。そこにめんつゆをかけまわします。何とこれで完成です。
あっという間にお弁当にもピッタリなカブ葉炒めの完成です。

ちょっと豪華にしたければ、ゴマを混ぜ込みます。ちりめんじゃこも合いますよ。
カブの葉を料理するときはあく抜きをした方がよいとも言いますが、蕪汁や炒めものに使う分には
よく洗えば大丈夫です。

カブの旬は寒い冬。まるまる育ったカブも葉も、おいしくしっかり食べ尽くしましょう。

 

by komi