放っておいて大丈夫? その不調、「冬季うつ」かも

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クリスマスやお正月などの楽しいイベントが終わり、この時期、何となく気分が沈む、やる気が起きないなどの
症状はありませんか。それはもしかしたら、「冬季うつ」かもしれません。

Pick up 01「冬季うつ」の症状は?

「冬季うつ」は、冬だけに起きる症状で、季節性情動障害とも呼ばれています。
気分が沈む、集中力が落ちる、疲れやすい、など、一般的なうつ病の症状のほかに、睡眠時間が
長くなる、甘いものや炭水化物が無性にほしくなるなどの傾向があります。そして、春になると
これらの症状は改善します。

寒いから外に出たくない、ふとんから出られないということは、誰にでもありそうです。また、年末は
忙しく、仕事のストレスなどで、集中力が落ちたり疲れたりすることもあるので、このような症状が
あるからといって、必ずしも「冬季うつ」とは言えない場合もあります。しかし、もし日常生活に支障を
きたすようなら、放置しておくわけにはいきません。

Pick up 02なぜ「冬季うつ」が起こるのか

そもそも、なぜ冬季うつ病は起こるのでしょうか。それは、日照不足に関係があります。日本でも、太平洋側は
冬でも晴れの日が多いので、ピンとこない人は多いでしょう。しかし、雪が多い日本海側や、緯度の高い
地域では、冬季うつの発症率が高くなっています。病名を与えられていなくても、何となく調子が悪いという人は
多いようです。そして、日照時間が長い地域から短い地域に移動すると、体調を崩すことが多くなります。

セロトニンは、神経伝達物質の一つです。体温を調節したり、衝動を抑えたりするなど、心身のバランスを
整える機能があり、朝、目に日の光が入ることによって脳に信号が送られ、分泌が始まります。十分に
日光を浴びられないと、体が覚醒しないので、やる気が起きない、日中眠いなどの症状が表れるのです。

Pick up 03「冬季うつ」の対処法

冬季うつを解消するのに一番良い方法は、「光を浴びる」ことです。
家の中の蛍光灯の光は、最大でも500ルクスくらいですが、日光は曇っていても10000ルクスはあるそうです。
朝はなるべくカーテンを開けて、できれば外に出て、日光を浴びましょう。緯度が高く、日照時間が短い
ヨーロッパの国々では、SADライト(またはブライトライト)という、曇りの日と同じくらいの強い光を出す
ものが売られており、公共施設や職場に取り入れられるなど、普及しています。日本でも通販サイト
などで買えるようです。

一定のリズムを刻む運動も効果的です。階段の上り下りやリズミカルなウォーキングをすると、
セロトニンが分泌されます。
セロトニンを生成する物質の一つにトリプトファンがあります。乳製品や卵など、たんぱく質が多い
食品に含まれているので、カロリーに注意しつつ、積極的にとりましょう。
それでも、どうしてもつらいようなら、病院で相談してみてください。

しっかり自分の体と向き合って、気持ちよい冬の生活を!

 

by minato50