日本の夏を彩る花火の歴史
夏になると毎週のように全国各地で開かれる花火大会。日本の花火は世界一美しいと言われています。
なぜこんなに日本人は花火を愛しているのか、その歴史を調べてみました。
Pick up 01日本の花火のはじまりはいつ頃?
日本の夏の風物詩といえば花火大会ですね。日本の花火は世界で一番美しいとも言われており、
毎年夏休みに入ると日本各地で毎週のように行われるようになります。
海外では新年を迎えるときや、何かのイベントがないと花火を打ち上げることはありません。
これほど花火を愛している国は他にはないのではないでしょうか。
花火は1127年からの南宋時代に中国で発明されたとされていますが、日本にはいつ頃入ってきたか
ご存知ですか?日本で最初に花火を見たのは江戸幕府と開いた徳川家康だと言われています。
1613年にイギリスからの使節が家康を訪れた際に花火を披露したという文書が残されています。
その後、大阪の陣で豊臣家が滅び戦がなくなります。家康が花火作りを奨励したこともあり、仕事を
失った鉄砲の火薬職人が花火を作るようになっていきます。各地に花火が広がり、特に江戸っ子の間で
人気になったそうです。当初はねずみ花火や葦の先に火薬をつけたいわゆるおもちゃ花火だった
ようですが、火事が多発したため、花火禁止令が出された時期もあったそうですよ。
Pick up 02花火大会の歴史は?
花火大会もはじまりは江戸時代です。八代将軍吉宗の時代にコレラが流行し、亡くなった人の魂の供養と
悪病を追い払うために隅田川で行った「水神祭」で、はじめて花火が打ち上げられました。今のように
華やかなものではなく、のろしのような花火だったそうですが、当時はたいそう珍しかったようです。
今でも7月最後の土曜日に行われている東京隅田川の花火大会のルーツだと言われています。
江戸初期の花火大会では、鍵屋と玉屋という花火屋が花火を作っていて、2カ所から交互に花火を
打ち上げていたそうです。花火を見ていると「たまやー」「かぎやー」という掛け声があがりますが、
昔、良かった方の花火をたたえるため店の名前を呼んでいた習わしの名残です。
ちなみに玉屋の方が人気があったようですが、玉屋は創業30年ほどで大火事を出してしまい、
残念ながらお店は取り潰しに。江戸で花火を作っていたのはほんのわずかな期間でしたが、
今も「たまやー」の掛け声が受け継がれているのは、玉屋の花火が素晴らしかったからでしょう。
東京の花火を見るときは、江戸風に「たまやー」「かぎやー」と掛け声をかけてみてはいかがでしょうか。
Pick up 03日本の花火を支える職人さん
花火職人さんの日々の努力と花火好きな庶民の応援で、日本の花火はどんどん進化しています。
江戸時代、花火はオレンジ色しか出せなかったのが、明治時代には赤や青が増え、現在は原色だけ
でなくレモンイエローや水色、ピンクなどの中間色も加わって11色も表現できるようになりました。
大きさもどんどん大きくなり、形も同心円状に広がるものだけでなく馬や猫など複雑な形の花火も
登場しています。また、日本の花火はテーマに沿って打ち上げていて、ただ花火が上がるだけでなく
ストーリーも楽しめます。まさに日本の花火は芸術ですね。
花火大会の中には、競技大会を兼ねているものが多くあり、日本三大花火大会と言われている
秋田県の「大曲の花火」、茨城県「土浦全国花火大会」、新潟県「長岡まつり花火大会」も競技会です。
こうして職人さんが腕を競う場が多いのも日本の花火が進化している理由のひとつです。
今年はどんな新しい花火が登場するのかとても楽しみです。
by ポレポレ