本当は必要ない!?耳掃除の真実

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耳がかゆかったりすると、つい綿棒を耳の奥まで入れて掃除したくなりますよね。でも実はこれ、
とても危険なことなのです。ではどうすればいいのか、海外の耳掃除事情も合わせてご紹介します。

Pick up 01綿棒は、耳の外を掃除するもの

綿棒は本来、耳の穴の周りを掃除するためのものです。奥の方に入れてしまうと、かえって耳垢を
押し込んでしまいます。そうすると、細菌やほこりも奥に入ってしまい、炎症を起こす危険性があります。

医師も、綿棒を深く入れることを勧めてはいません。綿棒の説明書にも書いてありますが、入れるのは
せいぜい1cmくらいで、耳の穴の浅いところをくるっとなでるだけでいいのです。

日本式の耳かきの方が耳垢は取れます。気持ちがいいので、ついやってしまう人も多いでしょう。
でも、過度にこするのは禁物です。皮膚が傷つき、かえってかゆみが出てしまいます。しまいには、
かゆいからもっとかくという悪循環におちいってしまうのです。

Pick up 02耳垢にも役割がある

子供のころ、親に膝枕をされて、耳掃除をしてもらった記憶がある人も多いでしょう。
昔から行われていることですが、耳掃除は不要だという意見が多いです。

耳の構造によって、食事をしたり、しゃべったりしているうちに、耳垢は自然に外に押し出されてきます。
特に日本人は乾性の耳垢の人が多いので、耳掃除が必要なほど耳垢がたまってしまうということは
あまりありません。

耳垢はただのカスだと思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。
耳の中を乾燥から守ったり、ほこりや細菌が奥に入るのを防いだりという役割があります。
耳の中を清潔に保つためのものですから、耳垢が溜まって穴をふさいでしまうということがない限り、
むやみに取ってはいけないのです。

Pick up 03海外の耳掃除あれこれ

韓国や東南アジアには、日本と同じように耳かきがあります。耳かき屋というのもあるそうです。

欧米にも綿棒はあります。しかし、耳垢を取るということはあまりしません。そもそも、耳の中に
物を入れてはいけないと言われている国もあります。
欧米人の耳垢は湿性(べたべたしている)が多く、耳がふさがってしまうことがあります。
そういうときは、耳鼻科に行って取ってもらうか、耳の中に流し込み、ふやかして取る薬品を使います。
イギリスでは、オリーブオイル数滴を耳の中に垂らして、脱脂綿でふたをし、やわらかくしてから
取るという方法を、医師がすすめることもあります。

以前、ろうそくの火を使って耳の穴を真空状態にし、耳垢を取るものがはやったことがあります。
でもこれは火傷や鼓膜が破れる危険性があることから、販売中止になりました。

耳掃除はリラックス効果や癒しになることも確かです。しかしやりすぎはトラブルのもとになります。
耳垢が溜まって聞こえにくいということがあったら、耳鼻科の診察を受けましょう。

 

by minato50