寄付について考えよう―寄付文化が根付いている国々

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寄付というと、日本では募金箱をもって街頭に立っているイメージがあります。そして、諸外国より
寄付金額は少ないようです。他の国々ではどのようにして寄付活動をしているのか、見ていきましょう。

Pick up 01日本には寄付文化が根付いていない?

皆さんは、寄付をしたことがありますか。
駅などで、募金箱を持って呼びかけている姿をたまに目にすることがあります。
でも、何となく恥ずかしくて、素通りしてしまう人も多いでしょう。

良いことだとはわかっていても、寄付なんてしている余裕はないとか、偽善者だと思われたくないとか、
いろいろ考えてしまいます。また、どのように使われるのかわからなかったりして、不信感を持っている人も
いるかもしれません。

最近では、インターネットの普及で、手軽に寄付ができるようになってきました。
災害や病気、発展途上国に対するものなど、その支援は多岐にわたります。
しかし、日本ではまだまだ寄付という文化が根付いていないようです。

Pick up 02寄付が盛んにおこなわれている国―イギリスの場合

寄付に積極的な国々は、日常的に寄付活動が行われています。
筆者が4年半住んでいたイギリスでは、学校からよく、1ポンド硬貨を持ってくるように言われました。
ただ寄付をするだけではなく、お気に入りのぬいぐるみも持って行ったり、赤い服を着てくるように
言われたりしました。手作りのクッキーやブレスレットを子供たちが売って、その収益を寄付する活動も
行われていました。

それは悲壮感が漂うようなものでは決してなく、楽しいイベントでした。寄付が盛んな国は、子供のころから
寄付することが当たり前になるよう、教育されているのです。

自分ががんばるから、と寄付を募る方法もあります。子供が校庭を歩き、その周数分(30周×1ポンド=
30ポンドなど)大人が寄付をするというイベントもありました。夏に有名人がテレビでやっている24時間
マラソンとも、参加者が寄付をするチャリティーマラソンとも違い、何となく強制されている気がして、
最初は違和感を感じずにはいられませんでした。
でも、身近な人が頑張っているなら、寄付をしようという気になるのも確かです。

Pick up 03自分も幸せになる寄付

例えば、千円もらったとき、自分のために使うよりも、他人のために使う方が幸福度が高いそうです。
その場合の他人とは、見ず知らずの人ではなく、相手が誰だかわかっている場合です。

もう一つ体験談を紹介します。子供がクラスメイトの誕生日会に呼ばれました。招待メールには、
誕生日プレゼントはいらないから、そのぶん寄付をして、と書かれてありました。それはユキヒョウの
保護活動に関するものでした。筆者は迷わず10ポンドを寄付しました。子供がこんなに真剣に考えて、
プレゼントを我慢したことに感心し、自然保護に協力できたことに喜びを感じました。そして、他の子の
誕生日でも同様の寄付が行われるようになりました。

このように、身近な人が寄付に関われば、どんどん周りを巻き込んでいくのです。
日本でもその輪が広がっていくといいですね。

 

by minato50