寄付について考えよう―本当の支援とは

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寄付をしなければ何も始まりません。でもただ募金するだけでいいのでしょうか。
社会貢献のために、私たちができることを考えます。

Pick up 01お金をあげるだけでいいのか

寄付をしたら、それが有効に使われているかどうか気になりますね。例えば発展途上国なら、
地域にあった支援をしなければなりません。井戸を掘っても、部品が盗まれてしまって使えなくなるとか、
学校を作っても、家の仕事が忙しかったり、親の反対で通えないなど、実情を踏まえた支援をしないと、
無駄になってしまいます。

お金を渡すだけでは使い道や配分がわからず、一部の人が独占してしまったり、援助が本当に必要な人に
行き渡らなかったりする可能性があります。また、してもらうことが当たり前になり、人々の自立を
妨げてしまう場合もあるのです。

私たちがこの目で実情を確かめることは、容易ではありません。現地で支援に当たっている人たちには
本当に頭が下がります。

Pick up 02フェアトレード商品を購入する

ただお金を寄付することに疑問を持ったら、他に何かできることはないか考えてみましょう。
フェアトレード製品を積極的に購入することも、寄付と同じような社会貢献の方法です。

フェアトレードとは、発展途上国に対して、適正な価格で取引をすることです。大量生産・大量消費の
競争社会では、少しでも価格を安くしようとして、原料を不当に安く買い叩いたり、安い賃金で働かせたり
することがあります。
フェアトレードは、コストが上がりますが、取引先との信頼関係が築けて、長期的に、安定的に商品を
調達することができるのです。多く場合、フェアトレードの商品や原料は、手作りのものやオーガニック
製品であり、その希少性が購買意欲をそそり、企業のイメージも良くなります。

同じようなチョコレートでも、値段だけを見るのではなく(もちろんおいしさも重要ですが)、
原料の背景も考えて選びましょう。

Pick up 03貧しい地域のために仕事を作る

フェアトレードと似た考え方で、「雇用を創出する」というのもあります。最貧国では、仕事もなく、
食べるものにも困り、伝統の織物技術があっても、材料すら買えない地域があります。
少しだけ支援をすることによって、仕事を得られ、収入を様々なことに使えるようになり、生活や地域経済の
サイクルが回り始めるのです。

選んだ地域だけ支援をする(その地域の商品を買う)のは、「フェア」かという議論もあります。
でも、そうした地域では、女性は地位も収入も特に低いので、ある程度意識的な支援や介入も必要です。

ただ、商品を購入する際には、「かわいそうだから買ってあげよう」というのではなく、品質をきちんと
見極めましょう。その方が、彼ら、彼女らのやる気につながります。

このように、寄付をしなくてもできる社会貢献はたくさんあります。年末に向けて、日本でも募金活動が
活発になります。この際、少しだけでも世界の国々や人々、支援のあり方に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

by minato50