冬に咲く高貴な花、美しい椿の魅力と椿油の活用法

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春の訪れを告げるように晩冬から咲き始める日本の花、椿。
古来から伝わるその美しさと、椿油の活用法に改めて着目してみましょう。

Pick up 01万葉の時代から愛される日本の花、椿

日本で古くから親しまれている椿の花。地域によって原種は少しずつ違うのですが、野生種が
日本全国に広く分布しています。成長が遅く、ゆっくり育ち、鮮やかな花を長い間咲かせるところから、
庭木によく使われます。

赤やピンク、白交じりなど花弁の色はとても鮮やかで、早いものは2月の初旬から花を咲かせます。
冬、雪の中に咲く寒椿の姿はまさに絵になる見事さです。

春の訪れを告げる椿の花は、その美しさから季節の行事にもよく登場します。
初春に行われる奈良東大寺の「春のお水取り」という行事は、椿の造花をたくさん枝に刺し、
春の訪れを祝うとても風流な行事です。

東洋発祥の美しい椿、さて、外国では、どのように扱われているのでしょうか?

Pick up 02カメリアデザインの上品な美しさ

椿の花は、17世紀に東洋から西洋に伝わりました。
凛としたその風情はいかにもオリエンタルな美しさとして、日本のバラとも呼ばれて海外でも
広く受け入れられました。

その後、椿は西洋の絵画のモチーフにたくさん使われることになります。さらに、椿姫という
歌劇の舞台にも登場します。デザインとしても色々なものに使用されていますね。

花弁が折り重なった花の姿は、外国では「カメリア」と呼ばれています。アクセサリーのモチーフにも
よく使われ、服やバッグ、化粧品など服飾デザインには欠かせないものとなっています。
カメリアというピンク系の色の名前もあるほどです。

東洋から伝わった椿の美しさは、全世界共通です。花ことばは「謙虚な優美さ」。
椿のイメージにぴったりです。

Pick up 03万葉集の時代から使われていた椿油

花の美しさだけでなく、椿といえば、椿油が有名です。
椿油にはオレイン酸がたくさん含まれているのですが、この成分、酸化しにくい性質を持っています。
昔の人はその性質を体験でわかっていたのですね。

放っておいても固まらず、人の肌や髪の毛に長時間うるおいを与えてくれる椿油は、古来より日本の
女性に愛用されてきました。
髪を梳いたり、肌に塗ったり、今でも舞妓さんがよく愛用しているということです。まとめ髪をするときに
使うとしっかりまとまる上に、艶を出してくれるのでおすすめです。

春を控えた晩冬の季節は乾燥も一層厳しく感じます。椿油で髪や肌にうるおいを与えたり、
カメリアデザインのネイルで春を取り入れたりして、椿の美しさにあやかりましょう。

 

by komi